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読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人ファンが考える巨人若手選手低迷の4つの原因と4つの再建策

 

 多くの巨人ファンが感じていること、それは現在の巨人というチームが限界を迎えていることです。

 なかなか出てこない若手野手、戦力にならないFA選手、1軍選手層全体の高齢化など、抱えている問題は数多く存在します。

 残念ながらこれだけ多くの問題を抱えている今、Aクラスを維持しながら徐々に解決していくといったことは難しいと思われます。むしろ中途半端にAクラスを維持された結果、薄い選手層はさらに消耗し将来性豊かな若手選手を獲得できず即戦力獲得に走るしかないため、問題はさらに悪化していくでしょう。

 それではなぜ現在のような歪なチーム構造となったのかは以下の4点になります。

  ①FA戦略の限界 ②小兵タイプ乱獲ドラフト 

  ③打撃センス・身体能力の優れた高卒上位指名候補の獲得数の少なさ

  ④野手編成スカウトの能力の低さ

そして具体的にどのようにチーム再建を図るべきなのかを以下の4点で話していきたいと思います

  ①小兵タイプから大型・素材高卒野手の獲得。ドラフト戦略の大幅転換

  ②下位指名の見直し

  ③育成選手指名方針の見直し 

  ④支配下で野手指名数を増やす 

 

 【チーム低迷の原因① FA戦略の限界】

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 小笠原、杉内、村田、豊田選手など、巨人はこれまで数多くの選手をFAで取得し優勝を果たしてきました。

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 しかし13~16年のFA戦略に関してはは大竹、片岡、相川、金城、脇谷、森福、陽、山口選手を獲得しましたが、その選手の大半が期待された結果を出したとはいえない状態となっています。

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 またFA選手はどうしても複数年契約となり、FA権取得も30代辺りでの取得が多いため、FA加入時点でピークがある程度過ぎた選手が多く、FA加入という立場から貢献度が低くてもすぐに戦力外というのが難しい選手となります。そのため支配下枠を圧迫してしまい、選手層の若返りを阻害してしまいます。

 またFA市場自体以前と比べ選手の流入が減っており、1年間フルに起用できるような選手は総数自体が減っているためFAによる戦力補強自体も厳しい時代となっています。

 【チーム低迷の原因② 小兵タイプ乱獲ドラフト】

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 ここで08年~16年までの巨人の支配下野手獲得選手を振り返りたいと思います

  09年 1位:長野久義 2位:鬼屋敷正人 4位:市川友也

  10年 支配下野手獲得なし

  11年 5位:高橋洸

  12年 2位:大累進 3位:辻東倫 5位:坂口真規

  13年 1位:小林誠司 2位:和田恋 4位:奥村展征

  14年 1位:岡本和真

  15年 2位:重信慎之介 5位:山本泰寛 8位:松崎啄也

  16年 1位:吉川尚輝

 これを見てもらえばわかりますが、上位での野手指名が少なく、その中でも指名の多くが俊足巧打型が多いということです。俊足巧打型はすぐに一軍起用しやすい反面、打撃面での伸びに限界があります。そのためクリーンナップを担えるような長打力を持った選手がいないという現状に結びついています。

  【原因③:打撃センス・身体能力の優れた高卒上位指名候補の獲得数の少なさ】

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 これは原因②にも結びつく原因ですが、巨人は全体的に打撃よりも守備・走塁に優れた野手の獲得に偏っている節があります。一方で打撃評価・素材評価の高い野手というのが、その多くが高卒で指名されています。近年でいえば横浜高校・浅間選手(=日ハム3位)や智弁・廣岡選手(=ヤクルト2位)、二松学舎・鈴木選手(=広島2位)などが例となります。

 大学・社会人野手というのはプロ志望を出さなかったか、出したが指名が見送られた選手ということになり、打撃・素材面に何かしらの課題があったこと意味します。高校での指導法が合わなかった、能力は高かったが所属チームが弱くアピールする場が少なかったなどの理由で進学・就職後覚醒し指名を勝ち取る選手もありますが、やはり高卒プロ入り選手に比べると長打力型の選手は少ないように感じられます。

 原因②にも上げたとおり巨人は長打力・身体能力型の高卒野手の指名数が少ないことがわかります。それら打撃型・素材型高卒野手すべてが1軍戦力になれるような選手に成長するとは限りませんが、そもそも獲得数が少なければそれだけ大成するような選手になる可能性がもっと低くなります。

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また長打型選手の獲得が少ない故に現巨人コーチ・首脳陣の多くにスラッガー育成ノウハウがなく、獲得してもなかなかスラッガー選手になれないという問題もあります。

 

 【原因④:野手スカウトの能力の低さ】

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 巨人でもっぱら言われるのが「若手投手はそれなりに選手が出てくるが、野手が壊滅的」ということです。

 そのことを聞くと多くの人間は「巨人は野手育成能力が低い」ということを連想すると思いますが、実は野手育成能力はそれなりにあるのです。

 それを証明するのがトレード野手。古くは日ハムよりトレードされた古城・実松選手やSB・立岡選手など、トレードされた野手数に対し1軍スタメンを勝ち取る選手は多いです。日本におけるトレードは互いのチームで燻っている選手の環境を変えることで再起を促す目的のものが多く、そのためトレード時点では1軍バリバリというより2軍で伸び悩んでいる選手が多く、それらの選手が1軍起用を勝ち取っているのは、選手層の薄さともいえますが、それだけ結果を出しているともいえます。

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 一方でドラフトで獲得した自前野手で高卒からスタメンを守り続けているのは坂本選手のみ。多くの野手が1年もたず怪我・不振で離脱しています。上位で獲得した和田恋・鬼屋敷・大累・辻・重信選手と、ことごとく・・・ことごとくです。

 このことを踏まえ、巨人は野手育成能力よりも野手編成スカウトがひどく、そのため育てようにも育てられる素材の選手がいないのが原因ではないかという結論にいたりました。

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 17年よりスカウト編成を野手出身の岡崎スカウトに、さらに元野手のスカウトを増やしており、これによるスカウト戦略がどのようになるかは注視していきたいところです。 

 

 それでは以上4点を踏まえて、チーム再建案について触れていきます。

 

 【再建① 小兵タイプから大型・素材高卒野手の獲得。ドラフト戦略の大幅転換】

 

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 原因②でもあげたとおり、これまでの巨人は俊足守備型の小兵タイプの獲得数が多、く、スラッガータイプの選手の獲得は少なかったために、似たような役割の選手に偏りクリーンナップの高齢化の原因になっていました。

f:id:okimono:20170502201151j:plain                           候補選手:明徳義塾・西浦選手

 そのため現在の野手の小兵タイプ乱獲ではなく、打撃・身体能力評価の高い高卒野手を上位で獲得し、クリーンナップを担える選手を揃えていく必要があります。

 そのため打撃評価の高い高卒野手を上位で獲得し、一方でパワー・身体能力特化の選手も1~2名獲得し、打撃の底上げをしたいところです。

 【再建② 下位指名の見直し】

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 チーム再建の上でもう一つ重要になるのが下位指名の方針。実は巨人は育成指名こそ多いけども、支配下指名は意外と少なく、08年6位指名、09年5位指名、10年4位指名、11年7位指名、12年5位指名、13年5位指名、14年4位指名、15年8位指名、16年7位指名終了と、平均5.6人となっています。

 この下位指名の少なさが高齢化と投手層の薄さの原因となっています。では下位指名ではどのような選手を獲得すべきなのかということですが、以下の3種類となります。

 

①中継ぎ起用がメインの大卒・社会人投手

②右投げ左打ちの社会人捕手・内野手

③右投げ左打ち高卒内野手

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                           候補:東洋大・片山選手

 特に①に関しては宮国や高木選手のように、先発を急遽中継ぎ転向しないといけなくなるような事態を避けるためにも充実させておきたいところです。 

f:id:okimono:20170502211017j:plain 候補:トヨタ自動車・藤岡選手

 ②に関しては野手は右投げ左打ちというだけで優先順位が下がります。現在の巨人は内野もレギュラー選手が少ないため、打撃評価は高いが右投げ左打ちで評価が落ちている捕手・内野手を獲得すべきです。

 ③に関しては、実績よりも素材重視となります。そのため時間がかかっても猶予をもてる高卒、そして内野→外野へのコンバートを考慮して内野手となっています。

  【解決案③:育成選手指名方針の見直し】

 

f:id:okimono:20170502213658j:plain 15年育成ドラフト1位指名・増田選手

 16年に3軍を創設し、それにともない試合数が増えたことで多くの選手を実践起用できるようになり、巨人は育成選手指名数を15、16年に8人ずつ、合計16名指名しています。

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         09年巨人育成3位指名を拒否。大学進学後13年に阪神3位指名となった陽川選手

 しかし支配下下位と育成上位では、順位自体はあまり差がないように見えても、その待遇には大きな差があります。支配下ならばよほど素行不良でなければ最低でも5~6年は見てもらえますが、育成選手は3年で育成契約を解除し、その後は一年ごとに自由契約扱いとなります。そのためいつ首を切られるかわからない育成指名は拒否されるリスクが生まれ、実際に高卒で育成指名を断り、その後支配下指名を勝ち取った選手も存在します。

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       (日本ハム指名を断り、JR東日本に就職した履正社・山口選手。実績ある選手は推薦を得ら

        れるためある程度の順位でないと獲得が難しい)

 そのため「支配下ならば下位でもかまわないが、育成ならば拒否する」というような話が調査票や指名前の挨拶の段階で行われているでしょう。このような選手は大学や社会人野球から推薦をもらえる見込みのある選手もおり、高い能力・実績を保有した選手であるため、1軍戦力となる可能性が高い選手になります。

 一方で「育成でもいいから指名を受けたい」という選手は、支配下では指名を受けられる可能性の低い選手。つまり実績・能力に課題のある選手になります。

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 これまでは3軍成立のために育成で独立リーグ・大卒野手を大量指名しましたが、今後は野手は支配下指名を重視し、育成指名は時間をかけられる高卒野手をメインとし、育成の指名割合も先発・中継ぎ起用で人数を求められ、ある程度戦力になりやすい投手をメインとすべきでしょう。

 【解決案④:支配下指名で野手指名数を増やす】

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                           15年5位指名:山本選手

 これは単純な話で、指名数を増やさなければ1軍起用できるような選手が生まれる可能性も低いということです。8年で支配下野手指名数15名と平均2名程度であり、指名数の少なさが目に付きます。指名数が少ないということはそれだけ選手の循環、競争が生まれないということとなります。3軍を創設し野手起用の機会も増えているため、野手指名を増やしじっくりと育てていくことが必要になると思われます

 以上4つが再建策となります。非常に長くなりましたが、この方針が今後実際に起用され、1軍で活躍する若手選手が増えればと思います